交通状況の変化に強い運行管理システムの構築と、データの一元管理を実現
株式会社武蔵野ロジスティクス 様
事業内容 : 一般区域貨物自動車運送事業、自動車運送取扱事業(運送取扱業、運送代弁業、運送利用業)、倉庫業、指定自動車整備事業、自動車分解整備事業、その他付帯する一切の業務
従業員数 : 661名(平成26年3月時点)
取材応対 : 物流統括室 兼 埼玉物流センター
課長代理 大久保様
Q.導入前の課題について
教えて下さい
交通網の麻痺で殺到する問い合わせ。対応のため業務が機能不全に
当社の埼玉物流センターでは、100を超える荷主企業様、300~400のコースで配送協力会社様とチャーター便または共同配送の業務を行っています。
2013年、2014年の降雪で首都圏エリアの交通網が麻痺した際、荷主企業様から一斉に車両位置の問い合わせがあり、電話回線がパンクするという事態がありました。全配送コースの車両位置を1時間おきに連絡してほしいとの要望に対して夜通し対応するなど、大変な思いをしました。そのため、車両の状況を簡単に把握できる動態管理の仕組みを検討することにしたのです。
日時データ管理のアナログ運用が大きな負担
各店舗様の納品時間管理という荷主企業様のニーズに応えるために、配送経過や納品時間などの管理を行っていますが、これまでは各コースの日報をもとに業務システムに手入力するという運用でした。これは、ドライバーが配送後に記載する日報をFAXで送付してもらい、事務員2人がかりで丸1日かけて入力するという、とても時間と労力がかかる作業でした。この時間管理のデータ提供を荷主企業様から求められるケースが増えてきていたこともあり、なんとか作業の負担を減らし、時間短縮できないかと考えていました。
Q.本サービス導入の
経緯について教えて下さい
画面の分かりやすさと、社内システムとの連携のしやすさ
いくつかのサービスを検討しましたが、画面が見やすく、情報が分かりやすいというのがポイントになりました。リアルタイムな車両の位置と向きが一目で分かるのはいいですね。
スマートフォンだから実現できる低コストと汎用性
スマートフォンを活用することで運用コストの面でもメリットを出すことができたのに加えて、誰でも、どの車両でも利用できるので、より多くの協力会社様と共通の仕組みを利用できるという点も大きなメリットですね。協力会社様にとっても、ドライバーの問い合わせ対応を大幅に削減できるというメリットがありました。
社内業務管理システムとの融和性
さらに決め手となったのは、社内システムとの連携が容易だったことです。当社では共同配送にあたり、在庫業務における倉庫での仕分け~積み込みや、仕分け済み商品の配送業務までの社内システムの構築とデータ整備を当社システム担当を中心に積極的に行ってきました。サービスのトライアル利用で、この社内システムとの融和性が優れていることが分かり、導入後の管理手法や運用をはっきりイメージすることができました。
Q.よいと思う機能とその効果は
荷主企業様が車両位置を確認できるので、問い合わせ対応が不要に
特定の荷主企業様が、関係する車両だけを動態管理できる機能が役に立ったケースがあります。サービス導入後に、積雪の影響で高速道路が通行止めになり車両が立ち往生してしまったことがあったのですが、この時は先方がリアルタイムに車両位置を確認できたので、以前のようにこちらから報告する必要もなく、問い合わせも一切ありませんでした。
また、こちらでも動態管理画面で渋滞情報を確認しながらドライバーにコースを指示できたことで、リアルタイムな車両位置が分かることの重要性をあらためて感じました。
配送データ入力の作業時間が半分になり、データの一元管理を実現
以前は、手入力のため煩雑だった日報や配送時間などのデータ管理が大幅に改善されました。
2人で1日かけて行っていた入力作業は半分以下の時間になり、紙の日報が不要になったことで紙の印刷量は半分になりました。印刷代でいうと1日あたり1万円ほど削減しています。
また、データ管理という点では、これまで整備してきた、仕分け~積み込みと実績の間を埋める、配送~店着のピースが揃ったことで、すべての情報を一元管理できるようになりました。これらのデータは今後、より効率的なコース組みや、荷主企業様へのより有益な情報開示に活用でき、大きな価値を生むと考えています。
ご担当者様より
今後は、各物流センターでの導入を進め、全センターの運行状況をどこでも確認できるような体制にしたいと思っています。
また、接近通知やカーナビ機能など、まだ活用しきれていない機能を運用にのせていきたいですね。
ここ数年の降雪による対応を通して「より正確に、より安全に、物を届ける」ことの重要性と責任を再認識しました。これまでも、そのために必要な効率化を試行錯誤しながら現場主導で進めてきましたが、サービスをさらに活用し、3PL(※)企業として一括物流管理を提供していきたいと思っています。荷主企業様からの要望もふまえ、引き続きサービスに対するフィードバックもさせてください。
まとめ
- 導入前の課題
- 交通が麻痺した際の、車両位置に関する問い合わせ対応が業務を圧迫。
日時データ管理の手入力によるアナログ運用が大きな負担。
- 導入の経緯
- 画面や情報が分かりやすかったこと。
スマートフォンの活用による、運用のコストメリットと、どの車両でも使える汎用性。
社内システムとの連携が容易だったこと。
- 良いと思う機能と
その効果 -
荷主が利用する限定的な動態管理機能
荷主企業からの車両位置の問い合わせが激減。
動態管理画面での渋滞情報の確認によるドライバーへのルート指示。配送経過、実績の管理
日報作成や手入力の時間管理の手間が大幅に削減。
配送にかかるすべてのデータを一元管理可能に。